わけわからんコードにはとりあえず影響スケッチ。
影響スケッチとは?
レガシーコード改善ガイドに掲載されている、影響を把握するための方法です。
影響はどのように伝搬するか
影響は
- 呼び出し側によって使われる戻り値
- パラメータとして渡されるオブジェクトの変更
- グローバルスコープのデータの変更
によって伝搬します。
影響スケッチの書き方
ただ影響の伝搬を線で結ぶだけです。変数だけでなく、メソッドも結びます。
例:直したメソッドがグローバル変数を書き換えていた→そのグローバル変数を参照している箇所には全て修正の影響が伝搬してしまっている(涙)*1*2
レガシーコード改善ガイドの例では変数もメソッドも同じように丸で囲っていてわかりにくかったので、メソッドは()をつけるなどの工夫が必要でしょう。*3
影響スケッチは何に役立つのか。
1.テスト箇所の把握
まだテストコードが十分に整備されていない時は、変更を入れたコード以外にどこまでテストコードを準備する必要があるのか、という把握のために使える。
2.リファクタリング
本書の中の例では、変数の取得方法をgetterメソッドに統一することで影響の重複を排除していた。*4
感想
なぜ影響スケッチが必要になるかというと、そもそも変数に必要以上に広いスコープや可変性を持たせているからであって、 きちんと構造を持っているコードなら影響スケッチはシンプルになるし、そもそも影響スケッチを書くまでもないかもしれない。
レガシーコード改善ガイドは自動テストが導入されていることを前提に話を進めているので、そういう現場で働いていないと役立たないかもしれない。 でも調査や分析のためのテクニック、精神論などはテストを自動化していなくても役に立つと思う。
今回紹介した影響スケッチもそんな役立つ技術の一つだと思う。
参考:レガシーコード改善ガイド第11章 変更する必要がありますが、どのメソッドをテストすればよいのでしょうか?